意外と来ない夏 2017/4 フィンランド・ヘルシンキ、エストニア・タリン(前編)

更新さぼってたら5月になっちゃった

 

4月に入って、ああさすがにサマータイムはじまったしあったかくなってきたなと思ったらいったん寒くなって、最近ようやくまた夏に近づいてきた感じです。日はかなり長くなったけど、まだ夏は来ないです。

 

更新してなかった間、あっという間に過ぎたかと言われると全然そんなことはなくて、ああしんどいとかなんとか言いながら一日一日、その長さを噛みしめて過ごしてきました。

留学プログラムとして学校に通うのはあと2か月で終わり。そのあとはパリオ観てから2週間ほど旅行して帰国します。飛行機も決まったので、いよいよカウントダウンですね。と言ってもたぶん来月半ばくらいまで、実感もなく、早く学校終わらないかな~って思いながらふつうに日常を過ごすんでしょうけど。

 

ちょこちょこ旅行したり国内で遠出したり、おもしろいことはあったんですけど、書きかけのメモばかり増えて何もまとまってない。もったいないからそれも成仏させたいけど、今回はイースター休暇中の旅行のことを。あ、最近日本語でちゃんと文章書いてなかったのでいつにもましてひどいかもしれない。これもリハビリです。

 

4月半ばに、フィンランドヘルシンキへ3泊で行ってきました。

フィンエアーの直行便でローマ~ヘルシンキ3時間半。

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機内で出される紙コップと紙ナプキンがマリメッコで早速テンションが上がる。

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今回はイッタラマリメッコなどのいわゆる北欧デザイン、かもめ食堂の世界なんかを楽しみにしつつ、今まで訪れたことのない文化圏に浸ってみようとフィンランドを選んだのでした。

フランスとかスペインだと、言葉もある程度推測できるし似た文化を持っているので、なんというかだいぶ慣れちゃったんですね。ここらで全然違う世界を見たいと思ったし、そうしたらまた新鮮な視点が得られるんじゃないかな~とうっすら考えてました。

 

そんなわけで、空港から近郊列車に乗って市内に向かう間も、言葉が全然わからなくてわくわく。アナウンスを聞いてわからないのはもちろん、字面を見ても全く見当がつかない。

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これが空港と市内を結ぶ列車。フィンランドで唯一イマイチに感じたデザインかもしれない、ファミマカラーだなって思っちゃったんだもの

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ちなみに、基本的にフィンランドでは、公用語であるフィンランド語とスウェーデン語の二か国語表記。通りの名前なんかも必ずふたつ書かれている。ヘルシンキ市内ではだいたい先に書かれるのがフィンランド語でそのあとがスウェーデン語になってるみたいですが、地域によって反対だったり、どちらかの代わりにサーミ語が入ってきたりするそう。

~そう。って誰からきいたんだよって思うかもしれませんが、実はかもめ食堂のロケ地は今、名前もそのままにレストランとカフェになっていて、わたしはカフェのほうにおじゃましてそこで日本人の店員さんとお話しできて、いろいろ教えてもらったのでした。

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カフェはこんな感じ。抹茶ラテをいただきました。

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フィンランド語の話をもう少しすると、伸ばす母音は”Aalto”みたいにふたつ重ねて表記するんだけど、ちょっとかわいいなと思いました。これ、わたしたちにとってはアアルトって読むのね、ってすぐわかるけど、英語話すひとたちにはなかなか理解できないらしい。母音がひとつかふたつかで音としての違いがわからないんだそう。

母音もだけど子音も重なってることが多い(ような気がした)ので、ひと単語が長いなあと。あとイタリア語はKってアルファベットは使わないのでほとんど見かけないんだけど、こっちではよく見たので、そんなところでも自分の知らない言語だということをはっきり感じました。

 

ごはんの話を少しすると、あんまり期待しては行かなかったんですけど、ふつうに美味しくいただきましたよ。

トナカイの肉を食べてみたり。羊肉みたいなくせはあったけど、わたしは好きでした。美味しかった。ベリーがふんだんに使われるのがいいですね。こういうベリーは山に入って採っていいことになっていて、採ってきたものを各家庭でジャムなんかにして保存するみたい。

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これはサーモンのスープ。粉雪が舞うほどに寒かったのでこれであったまった。そう、イースターの時期がだいたい冬が終わるころなので、イースターは春の訪れを意味するのだそう。イースター終わったくらいに夏用のタイヤに替えるらしいよ。それなのにめちゃくちゃ日が長いからもうわけわかんないよねえ…。21時くらいに夕飯食べ終わって外に出てもまだ夕方くらいの明るさ。

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かもめ食堂にも出てくる本屋さんに入っているアアルト・カフェで食べたシナモンロール。大きい。

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アアルトってフィンランドの人か~と思ってその建築も実は楽しみにしていた。これがそのアカデミア書店。

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自然光が柔らかく入ってきていい感じ。

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これもアアルト設計の、stora enso headquarters

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アアルトのもののみならず、何気ない建物がしゃれていていいなあと散歩しながら。

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新古典主義的な建物と、モダニズム的な建物が混在しているんだけど、圧倒的に後者が美しかったなあとわたしは思いました。なんか前者ははりぼてのようにさえ感じられてしまった。きれいなんだけどね。

日本にもこんな素敵なモダニズム建築がたくさんあったらなあ、そしてそれがちゃんと残ったらなあ(こっちが問題)と思わずにはいられず…

 

長くなったので、後編に続きます

南へ南へ 2017/1 イタリア・タオルミーナ

2月もおわりますね。

先月末の旅行の話をしますね。

 

旅行計画に書いた電車の話をします。

 

ナポリチェントラーレからintercityに乗ってタオルミーナ・ジャルディーニを目指します。朝9:50発の電車だったのですが、たどりつくまでに少々やらかして5分前にすべりこむ。心臓ばくばくいわせながら出発。ちなみにintercityというのは特急列車みたいな立ち位置なので、かなり時間がかかります。ナポリタオルミーナは約7時間。あと車両もぼろい。なぜか乗ってからしばらく車内の電気がつかなくて暗かった。

周りに座っている乗客の顔ぶれが何度か変わったころ、ヴィッラ・サン・ジョバンニ駅に着きます。こんな感じなんですが、遠くには海とフェリーが

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ここで、乗っていた電車がふたつに切り離されました。もともとパレルモ行きの電車という表示だったのですが、わたしが乗っていた車両はシラクーサ行きに。西に行くか南下するかで別れるわけですね。

フェリーにつめこまれていきます

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船内はこんな感じです。手前がわたしの乗っていた車両

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フェリーが動き出すと乗客は外に出られます。船旅も味わえてしまうということですねえ~

同じタイミングでトレニタリアの他のフェリーもいた

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何の指示かわからなかったけど

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そして海を渡りメッシーナ

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連結作業を間近で何度か見られます。ああいう作業ってひとの手でやってるんですね。

わたしが写真と動画を撮っていると、作業員のおっちゃんがよく見えるように気を使ってくれたり、まだ出発まで時間あるからホームに降りてよく見ておいでと声をかけてくれたり、たのしいひと時でした。

ここでアンパンマンの「新しい顔だよ!」っていうセリフ思い出した(ゆっくりと近づいてきたこれが新しく先頭車両になる)

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タオルミーナまでは海沿いをずっと通っていきます。残念ながら車窓からは廃屋だったりごみが廃棄された砂浜だったり、さびれた風景ばかりを眺めることになったんですが。

 

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なんやかんやで、長旅のわりに予定時刻を大幅に遅れるということもなく無事到着。

駅から中心街まではバスで行こうと思っていたのですが、次のバスは2時間後だよとか言われて泣く泣くタクシーに乗りました。オフシーズンだから仕方ない…。でもタクシーの運ちゃんともたくさん話ができてたのしかった。ひとりだとこんなに他人と話してみたくなるもんなんだなという気付きを得ました。今回の旅は終始知らないおっちゃんとのおしゃべりをたのしんだ。

 

ということで、やっと着いたところですけどひとまずこんな感じで。気が向いたら続きも書きます。

pessimismo

気付いたら月末。もうすぐテスト。今月はちょっとまずい。いまいちやる気を出し切れず1か月過ぎようとしてる。

今月はいつも通りの文法中心の授業と、もうひとつは一冊の本を読んでいくという授業だったのだけど、本を読むってむずかしいなあと。言語だけ学んでも文化を知らなければ意味がない、みたいなことにわかりやすくぶち当たるのは読書体験かもしれない。辞書に載ってない言い回しにもたくさん出会うし、俗語やスラングも出てくるし、文章の意味がわかってもイタリア人の常識を知らないとそれが文脈のなかでどんな意味を持つか理解できない。この本が原作の映画も観ているけど、こんなシーンだったの!?みたいな箇所がちらほら…。理解できてないんだなとへこんだ。口頭試験はこの本の内容について答えることになるので、きっちり読み直さないと…。

 

今月終わったら留学は残りあと4か月になるんだけど、前に進める予感がしない。4月にはまた語学のクラスのレベルがあがってしまうのに。今のレベルでギリギリな気がするんだけどなあ。それなりに授業の内容は理解できるだろうけど、そのレベル相応のアウトプットができるとは思えない。今のクラスに、その力じゃこのレベルにいちゃまずいでしょうみたいなひともいるんだけど、じきに自分もそうなるんじゃないか。3か月いたら、テストがあるとはいえ実際はそれを受ければほぼ自動的に上のクラスに行けてしまうというのはなかなか問題だ。語学力なんてそう簡単には変わらないのにね。

うだうだ言わずに勉強するしかないんだけどな。今月はだめだったかもしれない。イタリア人とがっつりおしゃべりする機会も設けてないしなあ~。一期一会的にいろんなひとと話すというのは少なくないと思うんだけど(その意味で国内の一人旅はとてもよかった)。

でもねえ、無理せず・たのしんで勉強する、ってむずかしいんだよ~~~。わたしは語学を勉強としてかまえて勉強するようなタイプで、負荷をかけて耐えながら闘っているような気持ちで過ごしてきた(ので留学生活たのしい!充実!とは口がさけても言えない)。今までは、あんまり無理してもいいことないし適度にやるのがいいんだろうなとは思いながらも…という感じだったんだけど、最近はちょっと、無理しないというより己を甘やかしはじめてしまった気がする。ただ受動的にやり過ごしているような。いや自分で客観視できなくて実際のところどうなのかはわからない。まして他人からなんてわかるわけないよなあ。いい塩梅でやっていきたいんだけど。自分とどう向き合うか、試されてる。

 

(たまに更新をたのしみにしていると言ってくれるひともいるのに、書き出すとネガティブなことばかりでほんとにおもしろくなくて申し訳ないきもち…テスト終わったら少し時間があるのでたのしい話をしようとおもう)

明日で今月の授業が終わります。と同時にシチリア旅行のはじまりです。

 

そういえば。引っ越し先がみつかりました。これが本当にイタリアでの最後の住まいです。授業は6月末で終わるんですが、7月末までの6か月契約にしました。どうせ7月頭にパリオみて、そのあと気が済むまで旅行してから帰ることになるだろうから、一応拠点として残しておこうと。

ということで今日は日本でもやったことないのに、不動産屋で契約のサインをしたりなどして、当たり前ですが全然なんのこっちゃわかんなくて少しへこみました。日本語の契約書だって読む気にならないんだからね。何はともあれ、きれいなおうちなので新しい生活をたのしみにしたいところ。

そしてこのタイミングで日本から送ってもらった荷物が受け取れず、危機。

今日わたしがテストを受けている間に寮に届けに来たらしいのですが、支払いもあったため持っていかれてしまった。明日受け取らないと旅行で数日家をあけることになるし、かつ今月いっぱいで引っ越してしまうので、さあやばいぞ…と思って宅配会社を調べたのですが、イタリアにそもそも再配達の依頼なんてものがあるのか、よくわからず。どうしよう…と思って不動産屋まで歩いているとその宅配会社のトラックを発見…!!!今きかなきゃ!!と思って、トラックが止まって運転してた兄ちゃんが出てきたところをつかまえてたずねる。名前をきかれたので答えると、ああ俺が持ってったよ、また明日持ってくね、みたいな感じでとりあえず解決(?)。ちょう原始的な方法でなんとかしたな、と自分の成長を感じました。トラック追いかけて走ったからね。

不確かな情報ですが、一応今回わかったことを以下に書いておきます。

日本からイタリアにモノを送るとき、EMSというサービスを使うことが多いようなのですが、これがかなりくせもののようです。今までに数回EMSで送ってもらっていて、今回もそうでした。日本の郵便局はEMSを推奨しているようですが、イタリアにはこのサービスがなく、これがイタリアについた途端、普通郵便と同じような扱いになってしまうらしい。それでいちばん解せないのは、日本から荷物を送るときに諸々のお金をすべて払っているのに、イタリアに入ると税関にかかって、荷物をあけられるはさらなる関税やら付加価値税やら(?)がかけられるは…というにわかには信じがたい状況になっているらしいこと。日本で払った金はなんだったの…?そんな勝手に関税かけていいの…?こっちの郵便事情でいい話はききませんが、ここまでくるといやあ、イタリアという国はほんとうに………。今まで無事に受け取れていたのが奇跡みたいだなと思いました。この不条理さ、先進国ではないよね。今言えるのは、イタリアにモノ送るときは、いろいろ覚悟して、EMS以外で送ってね、というところでしょうか…。はたして明日無事受け取れるのか。

ほんとは近々ネットショッピングしてみようかと思ってたんですが、やめたほうがいいのかな…いやサボンが今セールしてて、ボディスクラブ欲しくて……

 

ということでイライラするのも通り越して若干ひいてるんですけど、とりあえず書き留めておきます。

旅行計画

旅行したあとにブログ書かないなら、行く前に書いたらいいんでは!?ということで今月末に予定しているシチリア旅行についてお話します。現在、テスト二日前です。

 

今回はなんと人生初の一人旅です!たのしみ!ちなみに親には言ってません

まずシエナを出発してナポリに一泊。翌朝、電車に乗りおよそ7時間弱かけてシチリアタオルミーナという街まで行きます。今回はそこでゆっくりするつもりです。

帰りはカターニアというタオルミーナ近くのシチリア第二の都市からローマまで空路で、それだと1時間半もかからない。

ではなぜわざわざ電車に乗るのか?というと(なんなら電車と飛行機、値段も変わらない)…

ナポリを出た電車はヴィッラ・サン・ジョバンニ駅(イタリア半島のつま先あたり)にて、いったんいくつかの車両に切り離されます。それが連絡船に積み込まれて!海を渡り!シチリア島に到着して!連結!なにそれ見たい!!

という次第です。ちゃんと景色を見るために朝出発、日が暮れる前に到着する電車を選びました。だからナポリで一泊するのですね。いや一泊でもいいから寄りたかったというのもあるけど。ともかく、移動もかなりたのしみです。

 

冬にシチリア?って感じだと思いますが、シチリアはずっと行きたかったし、ひとりで旅行するならまずはイタリア国内にしておこう…ということで選びました。いや、最近疲れ切っているのでバカンス気分を味わいたかったのです……

カターニアシチリアバロックなる建築がたくさんあるらしく行きたかったのですが、今回はタオルミーナにしぼりました。気に入ったらまた他の街へも行ってみようと思います。

そのタオルミーナという街、リゾート地として知られているようです。ということは、今はもちろんオフシーズン(でも昔は避寒地だったとかなんとか)。エピファニアも過ぎカーニバルもまだ遠く、お店が閉まっているとかそういうことに不安はありますが、まあ静かに海を眺められればいいかなと…。天気さえよければそれでよし(にわか雨の予報出てるけど)。

そういえばわたしは気づけば海を求めているような気がします。トスカーナの丘陵地帯に数か月住んで改めて実感したことですが、わたしはどちらかといえば水の近くで暮らしたい…。肉食べられなくてもいいから新鮮な魚が食べたい。実は今の食生活、けっこう耐えがたいものがあります。自炊している分にはいいけど、外食でおいしい魚食べられないのはもう……

ということでおいしいものも胃のキャパがゆるす限り食べてきます。ひとりだと当然胃袋がいっこしかないわけで、そうなるとなんとかして起きて活動している時間を長くするしか数多くは食べられないのでは…?

さてどうなるでしょう。ていうか久しぶりのナポリ、ネットであぶないあぶない言われすぎてびびってるよ!みなさまお手すきの際に無事を祈っていてください。

新年

あけましておめでとうございます。

こちらは年末年始の旅行を終えて抜け殻になっているところです。

ぼちぼち学校が始まるのですが、始まってほしいようなほしくないような感じです。でも今ははやく忙しくならないと虚無感にのまれて死んでしまいそう。クラスも上がることだし、ちゃんと勉強できる態勢にしていかねば。

1月になったということは、留学生活は残り半年、1か月のクラスを6回繰り返したら終わり、ということ。いい加減たのしんで学校に通えたらいいんですけど、それが無理なら無理でしっかり修行して帰るつもりで気合を入れなおさないと。

今年は半分以上イタリアで過ごすことになりますが、帰ってからも立ち止まる暇はないので1年を通じて前に進みたいと思います。ほんとうに、いよいよ将来のことを考えねばならない時期ですね。とは言っても今年のうちに社会的に何かが変化するというわけではないので、自覚的にやることやっていかないと停滞してしまう。留年までして何してたんだ、とならないように、着実に前向いて動いていかねば。

まずはさっさと家探しを終わらせます。

パリのこと

さかのぼること一月前、そういやパリへ旅行したんだった。さすがに何か書き残しておきたかったので今更ながら。
時系列で記すとおもしろみに欠けるのは承知ですが、まあ備忘録なので…

1日目
現地到着が夕方になったので、ホテルの近くを散歩してから夕飯をとることにした。この日にサロンデュショコラに行ってしまおうかと悩んでいたんだけど、結局最終日にまわして正解だった。というのも、この日ダメもとで向かったレストランが大変素晴らしかった。パリに詳しい某先生おすすめの、ビッブグルマンつきレストラン。今回は土曜から火曜まで滞在したのだけど、ここのお店は日・月定休日でおまけに火曜は諸聖人の日(祝日、日本でいうお盆みたいな日らしい)…ということで、土曜しかチャンスがなかった。しかし予約をする術もなかったわたしたちは、飛び込みでおそるおそる入店。開店前だったのもあって運よく入れてもらえた。お店を切り盛りしているシェフの奥様が日本人の方で、親切に対応していただいて大変助かりました…。
本当にお料理が美味しくて、ごはんを食べて感動したのは久々だったかも。前菜・メイン・デザートのコースで30ユーロしないくらいかな。あのクオリティでしかもパリだということを考えれば(やっぱパリは外食高い)、リーズナブル。これ、いいお店知らなかったら同じ値段出してまずい飯食べてたんだろうなと思うと本当にありがたい話で…。先生ありがとう、今回先生のおかげでパリの食を満喫できました………
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治安がよいところを、とホテルは7区のエッフェル塔近くにしたので、朝も夜もその景色を楽しんだ。夜はライトアップされてきれいだったけどどうしても東京タワーみたい…と思ってしまった。
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2日目
朝からヴェルサイユ宮殿へ。ヴェルサイユってパリの中心地から少し離れてるんだよね。感想だけ先に言うと、めっちゃくちゃ疲れた。あんまりああいうきらびやかな場所って好きじゃないのかも、と思うくらい。途中カゼルタの宮殿を思い出して、王宮レベルともなればある程度以上はみんな同じにみえるな…と。まあとにかく敷地が広大すぎて移動に疲れた。興味があるひとにはいいと思うけど、なんとなく有名だし行こうかなくらいに思ってるひと(わたしたちはそうだった)にはあんまりすすめないな~。それより他観たほうがいいような。主要な美術館・観光地はパリの中心地に多いので、移動効率を考えると特に。
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そのあとはへとへとだったけど時間もないので昼も食べず、オルセー美術館へ。元々駅舎だったここの建物、素敵だった。
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大体美術館は18時閉館なんだけど、オルセー観終えた時点で微妙な時間になったので、夜遅くまでやっているポンピドゥーセンターへ。元々予定になかったんだけど実は狙っていたので行けてよかった、ちょうたのしかった!現代美術好きなら絶対たのしめる。憧れの作品が並んでいてわくわくした。すべては観てまわれなかったのでまた行きたい。
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夕方のパリ、セーヌ川

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ポンピドゥーにつくとすっかり夜

7区のサン・ドミニク(読み方は合ってるかあやしい)通り周辺はよさげなレストランが多くて、滞在中何度かふらふらした。クリスチャン・コンスタンという有名シェフが経営しているらしいお店がいくつかあって、この日の夜はそのうちのひとつを試した。気負わず入れる、リーズナブルかつおいしいお店だった。
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カキをたべた

3日目
朝一でパン屋へ。バゲットがおいしいお店ベスト10みたいなものに選ばれたパン屋らしく、たしかにバゲットもおいしかったけどわたしはクロワッサンに感動した。本場のクロワッサン、バターたっぷりでうまい…罪の味……。
そこから開館時間に間に合うようルーヴル美術館へ。わかってはいたけど広すぎて、途中から疲れてどうでもよくなる。19世紀以前の西洋絵画にあんまり興味がないことを再認識。ていうか建物のスケールが日本人に合ってない…?わたしが広い室内空間に慣れてないだけか、下手に主語大きくするのやめよう。
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朝のルーヴル

その後はオランジュリー美術館へ。ポンピドゥーと迷うけど、今回観たなかではここが一番だったな(モネ好きなので)!睡蓮の部屋で1日中ぼんやりしたかった………。誰かわたしのために美術館買ってくれないかな?DIC美術館のロスコルームでも思ったけど、連作が集まった空間って幸せだよね。日本でもモネの色んな作品を観る機会はもちろんあるけど、あの空間はオランジュリーに行かないと体験できないものなので、行くべし。絵画でそういう体験って意外とできない?と思うので、そういう意味でも素敵な美術館。
あ、あとオランジュリーの近くのチョコレート屋さん(某先生のお墨付き)にも立ち寄った。オーナーの1人であるショコラティエがたまたま店にいて試食をさせてくれたんだけど、わたしと同行者それぞれに合いそうなチョコレートをすすめてくれた。話をしながら、きみはこれ、きみにはこれにしよう、という具合に。小さなお店だけど、にくい接客と素晴らしいチョコレートがたのしめて、本当に素敵な体験だったな~。今回の旅はいいことばかりで不安になった。
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そういえば凱旋門にものぼった

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凱旋門の下の道はクラクションが鳴り響いていた…

4日目
夕方のフライトで帰るので、昼食までパリを堪能することに。
午前中は念願のサロンデュショコラ・パリへ…!
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入場料を払って参加する形なので、日本のサロンデュショコラみたいにあほほど混むこともなく快適(2時間あっても足りないくらい広いし)。試食とか試供品とかたくさんもらえてそれだけでもたのしい。日本のサロンデュショコラは高級路線に走りすぎの感じがあるけど、パリのはそんなこともなく、チョコレートが好きならみんな楽しめると思う。
自分用にrrrawというところのチョコレートを購入。ちょっとクセのあるチョコレートで、お酒のいいお供になった。
お昼は予約しておいたレストランへ。前述のとおりこの日は祝日だったので、食いっぱぐれたくなくてどこか予約しておこうと思っていたんだけど、今時ネットで予約できるとこが多くて便利だね…。元々ソルボンヌ大学の教員レストランだったところだとか。ここでいただいたブランダードは味がしっかりめだったので、古典的なフランス料理ってこういうことか~と少しわかったような。
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最後の最後、空港でフライト時間ぎりぎりになって走ったりイタリア着いてからあわや野宿の危機に直面したけど、なんだかんだパリでは危険を感じることもなくたのしく過ごせた。相当警戒してたからね。ちゃんと気を引き締めて変なところへ行かなければ、パリはあぶないところではないんじゃないかな(テロはもうどこにいても起きるときは起きるし…)。その、外国で気を引き締めるというのが平和な日本に暮らしているとむずかしいんだけどね…。

あとは適当に思い出したことを少し。

・パリのメトロは扉が手動開閉の車両も多いんだけど、自動開閉の電車は駅に着くやいなや、電車が完全に止まらぬうちに扉が開くのでなかなかスリリングだった。
あとメトロはほとんどボックス席。満員電車になることがないからこれができるんだよね、たぶん。そうじゃなかったら効率よく乗客詰め込めるようにボックス席は避けるよね(あと扉も止まってからしか開かないようにするわな)。パリ中心部に住んでるいわゆるサラリーマンって、働きに外へ出ることになるのかなあ。パリの中心にはオフィス街全然なさそうだったし(凱旋門なんかの高いところから見た限り、高層ビル街は1ヶ所だけ)。

・時期がどうとか特に考えず勢いで決めた旅行だったけど、秋のパリはなかなかよかった。エッフェル塔近くの公園だとかヴェルサイユ宮殿周辺だとか、並木道がきれいに紅葉していて美しかった(そういえばヴェルサイユ宮殿の外で早稲田通りを思い出させるような通りがあった)。イタリアで観る景色とは少しちがって、なんだか落ち着いたおしゃれ~な感じなんだよね…これがパリマジックか…。きちっと統制された美しさなのかな。
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・後悔といえば、とにかく時間がなかったので、日曜のマルシェをみられなかったこと、フランスワインを買って帰れなかったことか。

・パリに行くならできれば日曜月曜は外したほうがよさそう。レストランも美術館もどちらかが休みになってることが多そうだった。そういえば観光地でない街中は、日曜の朝はひとが全然いなくておそろしく静かだったな。それでも困らないくらい観るとこはあるから、さして問題じゃないのか。日曜月曜祝日にかぶせたわたしたちがあほだったという話。いや何も知らなかったんだ…。

・あとは、パリでおいしいものを食べるために事前の情報収集は必須なんじゃないかという話。おいしいお店はたくさんあるんでしょうけど、残念ながらそうでもない(けど高い)お店もそれ以上にあるんだと思う。だからパリはごはんおいしくなかったって言うひとが多いのでは。もちろん何も決めずにその場で気になったお店に入るというたのしみがあるのはわかるんだけど、パリでははずれひく確率高いんじゃないかな~。どうせ外食したらある程度高くつくんだから、ちょっとリサーチしてよさげなお店をみつけておいたほうがいいのはまちがいない。パリのことなら日本語でいくらでも情報探せるしね。

・今回の旅行中、何度もフランス語が話せたらな…ともどかしく思った。それは自分がフランス語をほんの少しだけでもかじったことがあるからなのか、フランス人が明らかにアジア人観光客であると分かっている相手に対しても平気でフランス語で話しかけるからなのかは分からないけど。でもたぶん、この街の魅力を知りたいと思ったら必要なんだよね~。イタリアにいてできないなりにもイタリア語使って生活してると、たまーに今まで知らなかったイタリアのリアルな生活や文化が見える瞬間に出会うから、その経験をフランスでもしたいと思ったんだよね。イタリア語と似てる言語ではあるし(だからきっとスペインでも同じように思うだろうな)。フランスに行きたいからフランス語やるっていうのは単純なようでいい選択だ。

とまあ長いこと書きましたが、また行きたいですねパリ。次はリヨン。