パリのこと

さかのぼること一月前、そういやパリへ旅行したんだった。さすがに何か書き残しておきたかったので今更ながら。
時系列で記すとおもしろみに欠けるのは承知ですが、まあ備忘録なので…

1日目
現地到着が夕方になったので、ホテルの近くを散歩してから夕飯をとることにした。この日にサロンデュショコラに行ってしまおうかと悩んでいたんだけど、結局最終日にまわして正解だった。というのも、この日ダメもとで向かったレストランが大変素晴らしかった。パリに詳しい某先生おすすめの、ビッブグルマンつきレストラン。今回は土曜から火曜まで滞在したのだけど、ここのお店は日・月定休日でおまけに火曜は諸聖人の日(祝日、日本でいうお盆みたいな日らしい)…ということで、土曜しかチャンスがなかった。しかし予約をする術もなかったわたしたちは、飛び込みでおそるおそる入店。開店前だったのもあって運よく入れてもらえた。お店を切り盛りしているシェフの奥様が日本人の方で、親切に対応していただいて大変助かりました…。
本当にお料理が美味しくて、ごはんを食べて感動したのは久々だったかも。前菜・メイン・デザートのコースで30ユーロしないくらいかな。あのクオリティでしかもパリだということを考えれば(やっぱパリは外食高い)、リーズナブル。これ、いいお店知らなかったら同じ値段出してまずい飯食べてたんだろうなと思うと本当にありがたい話で…。先生ありがとう、今回先生のおかげでパリの食を満喫できました………
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治安がよいところを、とホテルは7区のエッフェル塔近くにしたので、朝も夜もその景色を楽しんだ。夜はライトアップされてきれいだったけどどうしても東京タワーみたい…と思ってしまった。
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2日目
朝からヴェルサイユ宮殿へ。ヴェルサイユってパリの中心地から少し離れてるんだよね。感想だけ先に言うと、めっちゃくちゃ疲れた。あんまりああいうきらびやかな場所って好きじゃないのかも、と思うくらい。途中カゼルタの宮殿を思い出して、王宮レベルともなればある程度以上はみんな同じにみえるな…と。まあとにかく敷地が広大すぎて移動に疲れた。興味があるひとにはいいと思うけど、なんとなく有名だし行こうかなくらいに思ってるひと(わたしたちはそうだった)にはあんまりすすめないな~。それより他観たほうがいいような。主要な美術館・観光地はパリの中心地に多いので、移動効率を考えると特に。
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そのあとはへとへとだったけど時間もないので昼も食べず、オルセー美術館へ。元々駅舎だったここの建物、素敵だった。
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大体美術館は18時閉館なんだけど、オルセー観終えた時点で微妙な時間になったので、夜遅くまでやっているポンピドゥーセンターへ。元々予定になかったんだけど実は狙っていたので行けてよかった、ちょうたのしかった!現代美術好きなら絶対たのしめる。憧れの作品が並んでいてわくわくした。すべては観てまわれなかったのでまた行きたい。
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夕方のパリ、セーヌ川

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ポンピドゥーにつくとすっかり夜

7区のサン・ドミニク(読み方は合ってるかあやしい)通り周辺はよさげなレストランが多くて、滞在中何度かふらふらした。クリスチャン・コンスタンという有名シェフが経営しているらしいお店がいくつかあって、この日の夜はそのうちのひとつを試した。気負わず入れる、リーズナブルかつおいしいお店だった。
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カキをたべた

3日目
朝一でパン屋へ。バゲットがおいしいお店ベスト10みたいなものに選ばれたパン屋らしく、たしかにバゲットもおいしかったけどわたしはクロワッサンに感動した。本場のクロワッサン、バターたっぷりでうまい…罪の味……。
そこから開館時間に間に合うようルーヴル美術館へ。わかってはいたけど広すぎて、途中から疲れてどうでもよくなる。19世紀以前の西洋絵画にあんまり興味がないことを再認識。ていうか建物のスケールが日本人に合ってない…?わたしが広い室内空間に慣れてないだけか、下手に主語大きくするのやめよう。
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朝のルーヴル

その後はオランジュリー美術館へ。ポンピドゥーと迷うけど、今回観たなかではここが一番だったな(モネ好きなので)!睡蓮の部屋で1日中ぼんやりしたかった………。誰かわたしのために美術館買ってくれないかな?DIC美術館のロスコルームでも思ったけど、連作が集まった空間って幸せだよね。日本でもモネの色んな作品を観る機会はもちろんあるけど、あの空間はオランジュリーに行かないと体験できないものなので、行くべし。絵画でそういう体験って意外とできない?と思うので、そういう意味でも素敵な美術館。
あ、あとオランジュリーの近くのチョコレート屋さん(某先生のお墨付き)にも立ち寄った。オーナーの1人であるショコラティエがたまたま店にいて試食をさせてくれたんだけど、わたしと同行者それぞれに合いそうなチョコレートをすすめてくれた。話をしながら、きみはこれ、きみにはこれにしよう、という具合に。小さなお店だけど、にくい接客と素晴らしいチョコレートがたのしめて、本当に素敵な体験だったな~。今回の旅はいいことばかりで不安になった。
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そういえば凱旋門にものぼった

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凱旋門の下の道はクラクションが鳴り響いていた…

4日目
夕方のフライトで帰るので、昼食までパリを堪能することに。
午前中は念願のサロンデュショコラ・パリへ…!
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入場料を払って参加する形なので、日本のサロンデュショコラみたいにあほほど混むこともなく快適(2時間あっても足りないくらい広いし)。試食とか試供品とかたくさんもらえてそれだけでもたのしい。日本のサロンデュショコラは高級路線に走りすぎの感じがあるけど、パリのはそんなこともなく、チョコレートが好きならみんな楽しめると思う。
自分用にrrrawというところのチョコレートを購入。ちょっとクセのあるチョコレートで、お酒のいいお供になった。
お昼は予約しておいたレストランへ。前述のとおりこの日は祝日だったので、食いっぱぐれたくなくてどこか予約しておこうと思っていたんだけど、今時ネットで予約できるとこが多くて便利だね…。元々ソルボンヌ大学の教員レストランだったところだとか。ここでいただいたブランダードは味がしっかりめだったので、古典的なフランス料理ってこういうことか~と少しわかったような。
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最後の最後、空港でフライト時間ぎりぎりになって走ったりイタリア着いてからあわや野宿の危機に直面したけど、なんだかんだパリでは危険を感じることもなくたのしく過ごせた。相当警戒してたからね。ちゃんと気を引き締めて変なところへ行かなければ、パリはあぶないところではないんじゃないかな(テロはもうどこにいても起きるときは起きるし…)。その、外国で気を引き締めるというのが平和な日本に暮らしているとむずかしいんだけどね…。

あとは適当に思い出したことを少し。

・パリのメトロは扉が手動開閉の車両も多いんだけど、自動開閉の電車は駅に着くやいなや、電車が完全に止まらぬうちに扉が開くのでなかなかスリリングだった。
あとメトロはほとんどボックス席。満員電車になることがないからこれができるんだよね、たぶん。そうじゃなかったら効率よく乗客詰め込めるようにボックス席は避けるよね(あと扉も止まってからしか開かないようにするわな)。パリ中心部に住んでるいわゆるサラリーマンって、働きに外へ出ることになるのかなあ。パリの中心にはオフィス街全然なさそうだったし(凱旋門なんかの高いところから見た限り、高層ビル街は1ヶ所だけ)。

・時期がどうとか特に考えず勢いで決めた旅行だったけど、秋のパリはなかなかよかった。エッフェル塔近くの公園だとかヴェルサイユ宮殿周辺だとか、並木道がきれいに紅葉していて美しかった(そういえばヴェルサイユ宮殿の外で早稲田通りを思い出させるような通りがあった)。イタリアで観る景色とは少しちがって、なんだか落ち着いたおしゃれ~な感じなんだよね…これがパリマジックか…。きちっと統制された美しさなのかな。
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・後悔といえば、とにかく時間がなかったので、日曜のマルシェをみられなかったこと、フランスワインを買って帰れなかったことか。

・パリに行くならできれば日曜月曜は外したほうがよさそう。レストランも美術館もどちらかが休みになってることが多そうだった。そういえば観光地でない街中は、日曜の朝はひとが全然いなくておそろしく静かだったな。それでも困らないくらい観るとこはあるから、さして問題じゃないのか。日曜月曜祝日にかぶせたわたしたちがあほだったという話。いや何も知らなかったんだ…。

・あとは、パリでおいしいものを食べるために事前の情報収集は必須なんじゃないかという話。おいしいお店はたくさんあるんでしょうけど、残念ながらそうでもない(けど高い)お店もそれ以上にあるんだと思う。だからパリはごはんおいしくなかったって言うひとが多いのでは。もちろん何も決めずにその場で気になったお店に入るというたのしみがあるのはわかるんだけど、パリでははずれひく確率高いんじゃないかな~。どうせ外食したらある程度高くつくんだから、ちょっとリサーチしてよさげなお店をみつけておいたほうがいいのはまちがいない。パリのことなら日本語でいくらでも情報探せるしね。

・今回の旅行中、何度もフランス語が話せたらな…ともどかしく思った。それは自分がフランス語をほんの少しだけでもかじったことがあるからなのか、フランス人が明らかにアジア人観光客であると分かっている相手に対しても平気でフランス語で話しかけるからなのかは分からないけど。でもたぶん、この街の魅力を知りたいと思ったら必要なんだよね~。イタリアにいてできないなりにもイタリア語使って生活してると、たまーに今まで知らなかったイタリアのリアルな生活や文化が見える瞬間に出会うから、その経験をフランスでもしたいと思ったんだよね。イタリア語と似てる言語ではあるし(だからきっとスペインでも同じように思うだろうな)。フランスに行きたいからフランス語やるっていうのは単純なようでいい選択だ。

とまあ長いこと書きましたが、また行きたいですねパリ。次はリヨン。